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悩ましい録音フォーマット

録音するとき(幅広い周波数レンジ、大きなダイナミックレンジ、弱音の美しさなどを求めた時)に毎回迷うのは入力系の選択と録音フォーマットの選択です。ここで言う録音の目的は自分で聴いて楽しむためのものであり、他の人に聴いてもらうもの(商業目的)ではありません。

入力系の選択ではマイクロホンの種類(ラージフレームのコンデンサマイクを使うか、スモールフレームのコンデンサマイクを使うか)と、マイクロホンの数(マルチマイクを前提にした場合に1つの楽器に1本使うか、複数本使うか)、それに加えマイクプリアンプに何を使うか、で迷いに迷います!

こう述べると、必ず「それは録音する音楽のジャンルや演奏者数、録音場所によって変わる」という返事が返ってきます。
勿論、そのとおりですが、仮に単一楽器(例えばコントラバス)を録音スタジオもしくは、それに準じた環境の部屋で録る時を想定します。K’sの経験では「ラージフレームのコンデンサマイク1本に勝るものは無い」と思います。しかし、それには条件があって楽器とマイクロホンの距離が最適な場合のみであり、そうでない場合は2本のマイクに負けます。なぜならば2本のマイクの場合はミックスである程度調整ができるからです。それと複数本使う場合は割とスモールフレームのマイクの方が良い結果が出せるようです。特に楽器とマイクの距離は一般的な録音のセオリーに囚われずにアレンジ(その楽器の得意とする周波数と波長を考えて距離を離すように)してみると意外に良い結果が出せます。

次にマイクプリアンプですが、レコーダーについているものやミキサーに内蔵されているものでは限界があり、どうしても単体のマイクプリが必要になってきます。単体のマイクプリならどれでも、そこそこの性能が得られるかと言うと、音が良いと言われている国内外のマイクプリ数種類をメーカーから貸していただいて実験した結果、ほとんどのマイクプリがK’sが要求する性能が出ないという現実なのです。ギリギリセーフだったのは国内S社と米国G社の2社だけです。要求する性能とは、「音質に偏ったキャラクターが無いこと」、「十分なS/Nが確保されていること」、「瞬発的な大音量に対しリニアに立ち上がること」ですが、意外に満足するものが無いのです。特にS/Nが何dBとは記しませんが、マイクとその線路からマイクプリ出力までで、16ビット分のS/Nは欲しいところです。当然実験では電源にジェネレータを使ってアイソレーションしての事です。結局K’sの要求を満たすには(メーカーへの特注は別として)自作する以外に方法が無いようですので、バランス入力のDCマイクプリを設計中です。このように入力系だけでも高品位な録音を目指すと問題が山積みなのです。

ここからが本題ですが、録音フォーマットの選択です。
リニアPCMで録るか、DSDで録るかですが、これはそれぞれの得意とするところと弱点があるので、「音源に適したキャラクターの方を使えば良い」と言う事にして、ここでは触れません。

PCMを使う場合「正確なAD変換ができるのはどのフォーマット迄なのか?」を考えたとき、今迄は24ビット96KHz位かなと思っていました。ビット深度の方はアナログ系の限界から考えると20ビット辺りが限界の筈なので、自ずと16ビットは選択枝から外れ、24ビットで迷うことは無いし、先ほどの入力系のSNを考えるとマージンをみて、頃良い加減です。
しかし正確にAD変換できるサンプリング周波数は未だ不明です。そんなの「チップメーカーの規格表を見れば一目瞭然で解るのでは」と思われる方が大多数だと思いますが、「マイクで拾った生音(音楽)をマイクプリで増幅した出力を正確にAD変換可能なのは?」と考えると怪しくなります。

これはスピーカの音で構わないので数秒の音をマイクプリの出力(互いに影響の無い回路で)分配して、同時に48KHz、96KHz、192KHzで、同じ音を3回程度録音して、その波形を比較してみれば違いが解りますので、興味のある方は実験してみてください。但しリファレンスレベルを正しく調整した同一レコーダー複数台で、同時録音しないと意味がありません。K’sがお勧めしたいのは「人から聞いたり、本やネットで書いてあることを鵜呑みにせず、疑問が生じたら自分のできる範囲で実験してみてはどうか?」と言うことです。

マイクで拾える上限周波数とエイリアスの事を考えれば、なるべく高いサンプリング周波数を使いたいところです。上記実験で3つのサンプリング周波数で音色はかなり異なりますが「意味のあるハイサンプリングは?」と考えると低いサンプリング周波数が精度が高く有利です。またハイサンプリングの方が強いキャラクター傾向になるのも興味深いところで、そのキャラクターが好きか嫌いかは別の問題です。
そこら辺を考えると骨格がしっかりたPCM録音を目指すとき、悩ましいのが録音フォーマットの選択なのです。

それに加えてDSD録音もあり、これもDSD64、DSD128、DSD256などの選択枝があり、悩みが増えます。
こちらは、まだまだ録音経験が少ないところに加えて、勉強不足です。SALさんと何時も話していることで、これ言うと偉い先生方に叱られそうですが、理論的に考えた場合、いくらフィルターが有り、その振る舞いを考慮しても「DSD256で立ち上り方向の追従性がCD並みではないか?」と思えてしまいます。
またDSD64とDSD128の時の音質を比較(これも同時録音)すると、ますます「録音はDSD256!」と確信できます。

残念ながら、現在は市販のレコーダーが無く、実験している人にプリント基板とファームウェアを分けていただくのが手っ取り早いですが、DSD256のレコーダーが市販されるのは、時間の問題だと思います。