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算数の問題と現実ついて

二週間のご無沙汰でした。SALです。

今回は、特にここ数年感じている、数理を軽視する風潮について、一言述べたいと思います。

「ある水槽に水を入れるのに、3時間で一杯にできる給水栓Aと、6時間で一杯にできる給水栓Bの両方を使ったら、何時間で一杯にできるか?」…①
と言う問題を子供に聞かれたり、見かけることがあると思います。
この問題は、何が加算量なのかを問いかけているもので、ある意味良くできた問題であるが、大きな落とし穴もあります。
この場合の加算量は、給水量なので、水槽の内容量を単位とすれば、時間当たりの給水量は、
Aが 1/3 で、Bが 1/6 であるから、両方で 1/3+1/6=1/2 である。
従って、「2時間で一杯になる。」が答えである。
恐らく学校では、このように習うと思うが、実際にこれと似たようなことを経験した子供達の結論は、「もう少しかかる」であろう。
二つの給水栓は、通常は同じ配管から取るので、独立に使った時程の水量を確保できない為である。
先の、問い①には、下記の条件
「ただし、双方の給水能力は互いに影響しないとする。」…②
が、不可欠なのである。
②を加えることで、ヒントになるか、返ってややこしくなるかは、子供達次第である。
しかしながら、子供達に、「計算と現実は一致しない」と、誤解させるようではいけません。

「何を大袈裟に!」と言われそうなので、もっと深刻な問題に変えてみましょう。
「ある水槽に水を入れるのに、2時間で一杯にできる給水栓Aと、一杯の状態から3時間で空にできる排水口Cがあります。」
「今、Aで給水するのに、誤って排水口Cを閉じるのを忘れてしまいました。」
「さて、この水槽を一杯にするのに何時間掛かるでしょうか?」…③
この問題も①と同様ですが、Cが排水なので引き算になります。従って、1/2-1/3=1/6 で6時間が答えである。
しかし、この場合には多くの子供達が納得いかないだろう。
「こんなばかげたことをする筈が無い!」ことも事実だが、おそらくは「永久に一杯にならない」ことを知っているからである。
単純な排水口なら、排水量はある程度の水深があれば、それに比例(少なくとも依存)するからである。即ち、
「排水口Cからの排水量は常に一定であるとする。」…④
と言う条件が必要にも係わらず、この条件を満たすことは、②程容易ではありません。
現実的には、給水量と排水量が等しくなる水深を超えて水を貯めることはできないのです。

SALが言いたいのは、「現実離れした設問で、算数を進学テストの為の道具にするな!」と言う事です。
実は、排水口での問題点を指摘したのは、SALのオリジナルではなく、ある本に載っていた内容を簡略化したものです。
「教育とは何か?」と題した(?)その本もまたオリジナルではなく、ペレルマンの指摘と書いてあったように覚えています。
このペレルマンがあの有名な Gregory Perelman のことかは定かではありませんが…。

様々な現象の原因を探り、また問題解・決或いは更に進めて応用するのに、数理は最高の武器(道具)になります。
ところが、物心付く頃から、現実離れした算数の問題をやらされているうちに、
「そんなもの、なんの役に立つのか?」とか「そんなもの解らなくても、生活に困らない!」
と言ってしまうことに、何ら疑問を感じなくなってしまうのではないでしょうか?
尤も、SALは本心でそう思っている人は極少数だと信じていますが…。
身の回りを見てください、家電品や自動車や家具・建物、どれ一つとして偶然できたものはありません。
勿論、発見には偶然という要素も多々ありますが、それを役に立つ物に昇華させてきた背景には、常に数理があります。

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