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エイリアスと歪について

二週間のご無沙汰でした。SALです。
今回は、「波形・音色・歪」の続編として、エイリアスに対して同様の考察をしてみたいと思います。

エイリアスが生まれる原因は、時間的離散データを連続に変換する場合の補間誤差です。
標本点の値がどんなに正確でも、補間に誤りがあれば生じてしまうことに注意してください。
前回の結果を利用する為に、DACが線形の装置か否かを考えて見ましょう。

先ず、標本点での値はビット分解能の範囲で、当然比例しているはずです。でなければ不良品です。
後は、途中の(補間)値が結果として、利用した標本値総てに対して線形であれば、線形の装置と解釈できます。
勿論、SALの考案したソフトウェアDACも傾き算出法も総て線形です。

では、これを以って「エイリアスは歪ではない」と言えるでしょうか?
前回の①式 Out(ω)=G(ω)・In(ω) を思い出してください。
歪を生じない伝播経路では、シングルトーン(単音)は、増幅度G(ω)こそ違え出力も同じ単音です。
しかしながら、エイリアスは ωs±ω、2・ωs±ω、…..
と、異なる角周波数で無数に生じます。(ωs は標本化角周波数)

線形であるにも拘らず、このように余分な成分(エイリアス達)を生じた原因は、
DACの入力が、時間的に離散量であるにも拘らず、A/D変換前のアナログの単音を理想入力としているからです。
この理想入力を In(ω) とする限り、理想のADC~現実のDAC迄のパスは前回の①式を満足しません。
即ち、エイリアスは歪であり、これを高調波や混変調と区別して「エイリアシング歪」と呼びます。
逆に、正確なソフトウェアDACのみが、G(ω)を実定数に(つまり波形そのものを)保ちます。

CD再生時にこの歪は、可聴帯域外として単にアナログフィルタ処理されています。
(fs=44.1KHz なら、エイリアスは 22.05KHz 以上です)
また、全成分の和が標本値を示すわけですから、全エイリアスに食われた分だけ、信号成分の振幅は変化します。
勿論この変化は、補間の誤差から生ずるものなので、それに見合った独特のトーンを付けてしまいます。
この色付けからの復帰も、後続のアナログフィルタの仕事です。
しかしながら、過去の値しか利用できないプリミティブな素子で構成したアナログフィルタには荷が重過ぎます。
(最初のエイリアス区間ですら1オクターブしかありません)

諺にも「エイリアスは発生源から絶たなきゃ駄目」とあります。(ウソ)
アップサンプリング機能を持ったDACの狙いはそこだとは思いますが、大事なのは精度の高い補間機能です。
中間点を入れるだけでも効果的ですが、その精度が問題です。
近傍2点の平均値(P02)や近傍四点からの三次補正(P08)程度では、「エイリアス除去」とは言えません。
やはり、ソフトウェアDACのように補間曲線そのものを高精度に算出&トレースするべきです。

最後に、現実のADCに於けるエイリアシング歪について述べてみたいと思います。
アナログソースに標本化周波数の半分以上の成分が含まれていると、そのエイリアスはシグナル帯域側に現れます。
これは、再生時に比べると遥かに困った問題ですが、再生時に除去することは最早不可能です。
CDを作る場合、アナログレベルで 22.05KHz 以上を可聴帯域に影響せずにカットすることは不可能なので、
遥かに高いサンプリング周波数(ソースに含まれる最高周波数の2倍以上)でA/D変換することになります。
一度デジタル化してしまえば、後は処理時間さえ惜しまなければ、22.05KHz 以上をシャープにカットできます。
但し、楽曲データは定常波ではないので、「内容に影響せず」とは断言できません。
しかも、再生時のマージンを考えれば、もっと手前でカットしなければいけません。