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標本点群をトレースするⅢ

二週間のご無沙汰でした。SALです。

(Ⅱの続き…)
では、誤差の少ないトレースをDACで実現するには、どうしたら良いのでしょうか?
直ぐに考えつくのは、誤差の少ない中点挿入処理を繰り返して、その点をマルチビットDSDで繋いでいくことです。
例えば、8回繰り返せば256分割となり、「大甘に見積もっても fs/100 以下」(〃Ⅰ.談)とも整合します。
言い換えれば、最大信号周波数に対する時間分解能を 1bit から 9bit に迄引き上げることに相当します。
但し、飽和(Saturation)させない為には、ソースが 16bit なら差分に (8+2)bit 必要なので、もし可能ならもう二回分割して、1024分割にしたいぐらいです。

ボトルネックは、それだけではありません。
精度の高い中点挿入処理を8回も繰り返すなど、絶対に実時間(Realtime)では不可能です。
そこで、先ずは短時間で算出可能な中点挿入手順(計算法)を研究してみました。
その結果得られたのが、P08,P21,P24,P28,P32,P36 手順です。
WFP4Exp に実装されているので、お試し頂けます。(P08を除けばそれなりの実用性はありそうです)

しかしながら、これらの手順には精度以外にも不満があります。
それは、算出したトレース曲線が互いの定義境界で連続ではあるものの、P08を除いて滑らかさは保障されていない点です。
実はP08は、4近傍点を三次曲線で繋いだ結果であると同時に、
2近傍点で三次のペジエ曲線(両端の傾きはその2近傍の平均傾きで代用)を利用した結果でもあります。
そこで、こちらの考えを発展させることにしました。
先ず、各標本点で正確な傾きが解っているとして、三次のペジエ曲線での精度を算出してみましたが、かなり不満の残る結果でした。
次に、4近傍点とそれぞれの正確な傾きを満足する7次の拡張ペジエ曲線(SALの勝手なネーミング)で、誤差計算を行いました。
結果は、「充分に価値のあるトレースであると同時に、DAC内部で行う演算時間としても分割数次第では実現可能」と言えそうです。

次に、高い精度の傾き算出法を確立する必要が有ります。
但し、上記のペジエ曲線群のような短時間処理は、「先読み問題(Latency)」も含めて困難なので、DACへのソース信号として外部からの供給にします。
簡単に言えば、2チャンネルの標本値+その傾きで、4チャンネル相当のデジタル伝送をすることになります。
しかも、傾き算出をPC上での前処理とするなら、こちらもそんなに長い時間待たせる訳にはいきません。
最近のPCの演算速度は、初期のスーパーコンピューターのそれを凌駕する程らしいので、
このことを前提にして「逆マトリックス法」なる手法を考え、32近傍と48近傍からなる演算ライブラリを、WFP4Exp に実装しました。
P40とP44は、そのような傾きを利用して、中点及び4分割点を計算(本来はDACで行いたい作業)して、既存のDACで利用できるようにしたものです。
また、この手法は中点を算出する為ではなく、任意の時刻での値を計算する方法なので、44.1KHz から 48KHz 系へのリサンプリングも実装しました。
「リサンプリング」と命名したのは、PC内でのシミュレーションではありますが、文字通りD/A変換後別の標本化周期でA/D変換しているからです。
しかも、実時間とは無縁な系での処理なので、物理的リサンプリングのような曖昧いさ(Jitter,Alias)が入り込む余地はありません。
逆に言うと、現存するハードウェアという制限の中では、この(ソフト)リサンプリングこそが、最大の成果かもしれません。

此処までのより詳しい内容を希望される方は、是非ソフトウェアDACにアクセスしてみてください。
次回は、「高精度の傾き算出を求めて」と題して、最終結論に至ったハイブリッド法の紹介をしたいと思います。