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過渡応答の鈍り

ご無沙汰しております。SALです。
正月に休みましたので、四週間ぶりになります。
あらためて、新年のご挨拶を申し上げます。

今回のお話は、年末リリースの中でも、恐らく一番マイナーな「4.P32をチューニングしました」についてです。
ソフトウェアDACに比べて、欠点だらけに見えるP32ですが、過渡応答に優れています。
前後合わせて八つの標本点しか使わないのですから、当たり前です。
96KHz サンプリングなら、±0.04ms ぐらいの範囲です。
爆発の様な特殊な波形でもない限り、この範囲での急激な変化は無いと仮定できます。
但し、欠点がそのままでは、評価しようにも不可能なので、
fs/4 以下の誤差がP40並みになるように、徹底的にチューニングしてみました。
つまりは、fs/4 以下の成分しか含まず、過渡特性に優れたソースを前提にします。

幸いにも、SALは「生禄/すっぴん」に近い、幾らかのデータを持っています。
更にその幾つかで、より生に近い再生ができたと思います。
逆に、一般的な 96KHz データでは、差異を感じることも無かったので、
ソフトウェアDACによる「過渡応答の鈍り」は、無視できそうです。
注意:此処で言う過渡応答の対象は、エンベロープの変化のことですので、10ms 以上のレンジをイメージしてください。

「過渡応答の鈍り」と言うと、直ぐに「応答の遅れ」をイメージされますが、それは現実の世界が遅延応答しか許さないためです。
本ソフトウェアでは、総て遅延応答(Retarded Response)と先行応答(Advanced Response)をバランスさせているので、応答イメージを変える必要が有ります。
そこで、簡単な(CR low-pass filter)回路(fig.1)を念頭にそれぞれの応答を図示して見ましょう。
入力する信号元の内部抵抗はゼロとして、無限の過去から一定電圧(v)になっています。
次に、時刻(t=0)で電圧がゼロになり、そのまま続くとします。
つまり、入力(in)側の電圧図は、fig.2 のようになっている訳です。
(時の流れは総て左から右です)

キャパシタ(C)が、皆さん良くご存知のコンデンサ(正確には遅延キャパシタ)なら、
出力(out)側は(t=0)より指数関数的に減衰する図(fig.3/赤)になることは、それこそ常識でしょう。
そしてこの遅れ(v/eになる時間)こそが、時定数(CR)な訳です。
(原図では時定数が 10dot になっています/半減期なら 7dot 程です)
では、これが「先行キャパシタ」だったらどうでしょうか?
勿論、こんなもの(反コンデンサ?)は、非現実的な存在なので理解し辛いでしょうが、
「未来から流れ込でくる電荷の総量(Q=CV)で決まる電圧を示すコンデンサ」と考えてください。
「ええいっ、ややこしい!」と言う方は、出力図(fig.4/青)を見てください。
非現実的なのは、因果律に反するからで、時間軸を反転させると見慣れた図になると思います。
この図では、時定数(CR)は先行時間です。
前文は、「未来に流れ出す云々」にして、C を負の値にした方が「それらしい」かもしれません。

最後に、いよいよ本ソフトウェアで使っている対称キャパシタの応答です。
性格的には、通常のコンデンサと反コンデンサ効果を足しで2で割ったものです。
「過去に蓄えた総電荷と未来に蓄える筈の総電荷を半々に備えるコンデンサ」とでも言いましょうか…。
兎に角、図(fig.5/紫)を見てください。
応答に遅延はありませんが、時定数(CR)に依存する「鈍り」は発生します。

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