建築・設備見積りソフト、見積システムの事なら 和田特機株式会社

建設業向け 業務支援タブレットアプリシリーズ 好評発売中

和田特機株式会社HP

WFP for Experimental の場合

二週間のご無沙汰でした。SALです。
前回は、フィルタ処理等、異なる時刻データ依存による「過渡応答の鈍り」について述べました。
今回は、WFR4Exp がそれにどう対処しているか記したいと思います。

以前にも述べたように、アップ/リサンプリングとは、標本化周波数も変えるローパスフィルタと解釈可能です。
勿論、透過帯域は元のシグナル成分です。(エイリアスカットフィルタ)
前回の結論はこうです。
「過去と未来を対称に扱ったフィルタでさえ、時間的な遅れはなくても、過渡応答の鈍りを生じる。」
根本的な原因は、異なる時刻からの影響です。
と言うより、この影響を利用してフィルタを機能させています。

これまで、幾度もS-A図で示したとおり、近傍点を増やせば増やすほど、シャープなフィルタ特性が得られます。
しかしながら、この効果は過渡応答をより鈍らせると言う副作用を及ぼします。
前者が定常波成分に対しての、後者が非定常部分への効果と理解した方が、解り易いかも知れません。
この相反する効果は、周波数と時間が逆数関係にある為なので、本質的です。
丁度、量子力学の不確定原理の様に、
時刻の不確定さ(有効近傍の幅)とS-A境界不確定さ(スロープの有効幅)の積が良くても1程度になります。
(量子論がプランク定数程度なのは、それがエネルギーと振動数の係数になっているからです)
例えば、P32では、有効近傍数4(⊿t=4Ts)に対して、境界の不確定幅は ⊿f=fs/4 ぐらいです。
Ts はサンプリング周期
fs はサンプリング周波数(振動数)
なので、掛ければ1に成ります。
従って、ゼロ点挿入+高精度ローパスフィルタでは、どうしてもこの鈍りが大きくなってしまいます。

WFR4Exp で採用した方法
そこで、アップサンプリングでは、先ず元の標本点を必ず通すことにしました。
後は、エイリアスがゼロに近くなるように、挿入点を決めれば良いわけです。
但し、P32の結果でも解るとおり、44.1/48KHz のサンプリングで使用するには、境界の不確定幅を最大でも 1KHz 程度に抑えたいものです。
そこで、高精度の挿入点を演繹する為に、傾きデータを利用した7次のペジエ曲線を利用することし、
鈍り要因を、傾きに叩き込むことにしてみました。(Hybrid64 は上記の 1KHz を意識したものです)
P40以降のアップサンプリングでは、この効果を試すことができます。
では、リサンプリングでは、どうでしょうか?
44.1KHz からのリサンプリングでは、生き残った標本点は 1/147 に減ってしまいます。
しかしながら、ソフトウェアDACで算出した波形は、総ての標本点を通っているので、
ここから再標本化したデータは、総ての標本点を通るべくして構成されています。
従って、P40~48より劣る要素はありません。(ここが、偽アップサンプリングと異なる点です)

最後に、一般の 24bit/96KHz のデータで、_P32_P32 と _P44 の差が出にくいのは何故か考えてみましょう。
市販の楽曲データは、再生の適応範囲を広げる為に、コンプレッションを始め、色々なエフェクトが掛かっています。
(再生装置や環境に影響されにくくする為のプロの技を非難する訳にはいきません)
即ち、この効果の副産物として、非周期的成分が既に鈍ってしまっているのです。
それが証拠に、SAL所蔵の「すっぴん」に近い生録データでは、差が出てきます。
昔、オープンリールデッキを担いで生録会に出かけられた諸氏には、心当たりがあることと思います。

コメント