K’sです。今年のオーディオは、大型機器を排し省スペース化して色々とチャレンジしてきた。
肝心な音は、なんとか聴くに堪えるレベルまで調整できたところで、正直、一昨年までの音と比べ退化した音で終わった年となった。
反応の良い、自然な低音を出すのは本当に難しく、もしかすると狙っている低音再生は無理であり、無いものネダリしているのかも知れない。
音源制作の方は、ホール録音、スタジオ録音、自宅録音を行ったが、すべてリニアPCMの24bit/96KHzマルチチャンネルとDSDの5.6MHzマルチチャンネルで録っている。何れも一般的なものより、かなり高いレベルでの録音にチャレンジしてみた。その狙いはA/Dコンバータの直線性の良いところを使いたかったことに尽きる。
その甲斐もあって、牛嶋としこさんのCDアルバム My Favorite Shouwa Standard「ジャズで聴く昭和歌謡」は、生演奏を彷彿させる実在感のある音に仕上げることができたと思う。
11月19日に発売となったが、オーディオファイルやジャズ愛好家の方々からも高評価を戴いており、CDアルバムも順調な売れ行きだそうで、音源制作者としては嬉しい限りである。
ミュージシャンからのリクエストにも応えることができ、アルバムの目的も達成できたが、反面、演奏者の息使いや緊張感が伝わってくるため「対峙して聴くアルバム」となってしまったが、聴いて元気をもらうことができるし、これはこれで良しと考えることにした。
K’sとしては、いつか、少し肩の力を抜いた「心静まる音楽」のアルバムが作りたいと考えている。
アルバムの目的が180度違う訳で、嫌な刺激がなく、リラックスでき、いつまでも聴いていたいと思えるアルバムなのであるが、こればかりは、曲の選定、アレンジ、演奏方法、歌い方など、K’sの思いを伝えてミュージシャンのコンセンサスを得なければ実現不可能である。
言い方を変えると「穏やかな調べ」と「心地よい余韻が残る」音楽が何曲か入ったアルバムを作ってみたいのである。
実は今迄に制作したアルバムの中に、このような曲が1曲だけある。
中野幸代さんのCDアルバム「What A Diff’rence A Day Makes~輝く出会いの時に~」の6番目に入っている I’m A Fool To Want You である。仕事で疲れ、車で帰路につくとき、この曲を流していると、穏やかな調べが景色の流れとシンクロして心地よいし、歌は私の心を癒してくれる。
あっと言う間の1年であったが、何の災いもなく無事に過ごすことができたことに感謝し、近いうちに心静まる音楽のアルバムを制作できることを願って、いや、念じて・・・今年の幕を閉じたい。