建築・設備見積りソフト、見積システムの事なら 和田特機株式会社

建設業向け 業務支援タブレットアプリシリーズ 好評発売中

和田特機株式会社HP

十六歳の魂百まで

本棚を整理していたら懐かしい本が出てきた。
片岡義男の小説だ。
今では片岡義男と言っても知らない人の方が多いと思うが、
80年代には一世を風靡した作家で、作品はいくつか映画化されている。

彼の作品に初めて触れたのは高校一年生の時で、先輩が「これ読んでみ」と貸してくれたのがきっかけだった。
ちょうど写真にある「ふたり景色」だ。

初めて読んだ時、かなり衝撃を受けたのだった。
「都会に生きる男女のとりとめのない会話が淡々と描かれ、
それとは反対に、ページの多くは物や情景のディティールを表現するために費やされ、むしろ作品の主題はそちららにあるのではと錯覚してしまう」
そんな印象だった。

当時、たいした読書はしてなかったのだが、それでも16年このかた読んできた小説とは明らかに毛色が異なり新鮮だった。しかも、田舎の純朴な高校生であった私が小説を通じて初めて触れた都会(=東京)に「これが都会の大人のナウい生き方なのか」と誤った認識を持ってしまったのも無理はない。
※ちなみに「ナウい」とは当時の流行語で今で言う「イケてる」という意味だろうか。

ふと、映画化された「湾岸道路」の録画したものを持っていたのを思い出し、今更ながら見直してみた。主演は草刈正雄と樋口可南子、今も現役で当時よりいい男・いい女の深みも増している俳優さんたちだ。作品の方は原作の世界をうまく映像化できていて、片岡義男の小説の中で映画化された作品では一番の出来だと思う。珍しくもストーリーに起承転結があるが、感情が揺さぶられるまでのものではない(笑)

途中、主人公は仕事も妻も投げうって、オートバイで日本中を放浪の旅に出るシーンがある。
「羨ましい。。。」
不覚にもそう思ってしまった。
片岡義男の作品を読んで現実的でない都会の生活に憧れていた高校一年生から何十年と経っているのに、このような出来もしない生活にふと憧れてしまう私の厨二病心は変わっていない。
そう、まるで成長していないのだ。三つ子の魂百までならぬ(思春期の)十六歳の魂百までではなかろうか。

それではいけないと、自省をしつつ週末を過ごしたのであった。

コメント